古くから中南米の人々の暮らしに浸透していた喫煙



「たばこ」の習慣は、南アメリカ大陸のほぼ中央に位置する
、ボリビア周辺で始まったと言われています。

中米のメキシコに残る7世紀末のマヤ神殿のレリーフに、
「たばこ」を吸う神の像が刻まれています。

今から1400年も前に、
たばこを吸う習慣がすでに中南米の人々の暮らしに根付いていたのです。

マヤ族は、もともと生物に生命を与える太陽を崇拝し、
火と煙を神聖なものとして崇めていました。

香りのよい葉たばこには、「神の精霊が宿る」と考えられていて、
精霊と交霊するために神の前でたばこを吸っていたといいます。
たばこを吸うことで、精霊の力を得ることができると信じていたからです。

「たばこ」は、宗教上の儀式や病気の治療などに
欠かせない貴重なものでした。

やがて、「たばこ」を吸う習慣は原始民族の風習となっていき、
心を落ち着かせる鎮静作用や、逆に心地よい興奮をもたらす作用によって
「嗜好品」として広まっていきました。


マヤの壺に描かれた
「たばこ」を吸う老神



コロンブスの手によって「たばこ」は歴史に登場

コロンブス

西洋の歴史に「たばこ」が現れるのは、
コロンブスが1492年に西インド諸島のサンサルバドル島を発見したときからです。

この島に住む先住民が、コロンブスの一行に贈った
品のひとつが「たばこ」の葉だったと記録に残されています。

では日本に「たばこ」が伝わったのはいつなのでしょうか?

時期については諸説がありますが、1600年ごろ、
ヨーロッパ諸国との交易のなかで「たばこ」が
伝わったという説が最も有力です。

スペインに残っている記録には、
1601年(慶長6年)にスペインの聖職者一行が、伏見で徳川家康に
「たばこ」の膏薬(こうやく)と種子を献上したと記されています。

タバコの歴史
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