子供の受動喫煙
ぜんそくや突然死症候群の恐れ
−両親は禁煙を−
親が吸うたばこの煙を、子供はいや応なく吸い込むが、
こうした受動喫煙が子供の健康を脅かしている。
小児ぜんそくをはじめとする呼吸器疾患ばかりか、
乳幼児突然死症候群を起こす危険性もある。
両親は禁煙を心掛ける必要がある。
影響大きい母親の喫煙
国立保健医療科学院(東京都)生活環境部の淺野牧茂特別研究員は、
受動喫煙による2大問題として、
小児ぜんそくと乳幼児突然死症候群を挙げる。
たばこの煙には、200−300種類の有害物質がありますが、
特に硫黄酸化物と窒素酸化物は刺激が強く、小児ぜんそくをはじめ、
呼吸器系の病気の原因物質、さらには増悪因子として問題視されています
実際、両親の喫煙量が多いほど、小児ぜんそくを起こす危険性が高くなる。
また、ぜんそくの治療を受けても、
両親が喫煙していると症状が良くなる率は約27%にすぎないが、
禁煙すると約90%という米国での調査報告がある。
とりわけ乳幼児は、母親と一緒にいる時間が長いので、
母親の喫煙が大きく影響します。
ぜんそく発作がひどいと生命にかかわるので、禁煙してください
妊娠中の喫煙も影響
さらに、妊娠中からの喫煙が影響すると考えられているのが、
乳幼児突然死症候群です
乳幼児突然死症候群の原因は分かっていませんが、
これまでの研究で、うつぶせ寝、人工栄養、両親の喫煙が
3大危険因子として挙げられています
それぞれの危険度は、うつぶせ寝があおむけ寝に比べて3倍、
人工栄養児は母乳栄養児に比べて4.8倍、
両親が喫煙している場合はそうでない家庭に比べて4.7倍
と報告されている。
危険度の高い因子
喫煙がどのように影響しているかは、今後の研究を待たねばなりませんが、
危険度の高い因子であると言えます
このほかにも、子供の受動喫煙は将来、
肺がんや心筋梗塞(こうそく)につながりかねない。
子供、特に乳幼児のいる家庭では両親は禁煙すべきだ。
禁煙できない場合は、少なくとも、子供の寝室では吸わない、
子供と一緒の車中では吸わない、
子供がいる部屋では吸わない
−の3点を厳守して下さい
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