血管の老化とは?


血管の老化は、加齢によって誰にでも起こるものです。

年をとって、何らかの原因で血管の内部が傷つけられると、
傷口から血管壁の中に、悪玉コレステロール(LDL)や酸化したLDL(酸化LDL)が沈着します。

すると、マクロファージという白血球の一種が酸化LDLを食べ、
どんどん血管壁の内部にたまっていきます



血管壁に脂肪の塊が沈着した状態。


 その結果、血管の内腔が狭くなり、
血管壁の組織も肥厚して硬くもろくなってきます。

この状態が血管の老化、すなわち「動脈硬化」です。



動脈硬化が進むと、血管壁が弱くなったり、
血液の流れが悪くなって、血栓(血の塊)ができやすくなり、
心臓病や脳卒中などの病気になる危険性が高くなります。


 
動脈硬化を促進させる要因の一つが喫煙です。


喫煙と血管の老化に関しては、「たばこを1日に1箱吸う習慣が、
心臓病や脳卒中の発症に与える影響は、10年分の老化に相当する」というデータがあります






喫煙と動脈硬化


たばこに含まれるニコチンは、血管壁を傷つけ、
動脈硬化のきっかけをつくるほか、
たばこには内膜に入り込んだLDLを外へ運び出す

善玉コレステロール(HDL)

を減らす作用もあるため、血管の壁にコレステロールがどんどん溜まって、
動脈硬化が進行します。



 
また、たばこを吸うと生じる一酸化炭素は、
赤血球内のヘモグロビンと結合します。



ヘモグロビンには酸素を運ぶ働きがありますが、
一酸化炭素はそれを阻害するため、全身が酸素不足に陥ります。

酸素を補うために、たくさんの赤血球がつくられる結果、
血液が粘っこくなり、流れが悪くなります。

しかも、ニコチンには、血管を収縮させる働きもがあるので、
血液の流れはさらに妨げられます。




 このようにして、喫煙が動脈硬化を促進させ、
心臓病や脳卒中などの病気になる危険性を高めていくわけですが、
喫煙量が多ければ多いほど、これらの病気にかかるリスクが高まることがわかっています。

しかし、禁煙すると、病気のリスクは少なくなります。

特に、心筋梗塞については、

禁煙して数年で、たばこをまったく吸わない人とほぼ同じレベルまで、リスクが下がります
また、禁煙すればHDLの量が元に戻るので、動脈硬化の進行を抑えられます









動脈硬化
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